腰痛の原因となる病気がはっきりわかれば良いのですが、実は原因が分からない腰痛が意外に多いのです。はっきりした原因がなく、安静だけでなおっていくような腰痛の中の多くは筋肉やそれを包む膜(筋膜)の捻挫や疲労が原因と考えられます。
背骨と背骨をつなぐ関節のずれ(亜脱臼)が腰痛を起こすこともあります(椎間関節性腰痛症)。これらの腰痛には慢性化したものと、重いものを持ち上げようとしたときなどに生じる急性のものがあります。俗に言う「ぎっくり腰」は、その急性の腰痛症のことをいいます。
腰椎椎間板ヘルニアは「ぎっくり腰」とは全く異なります。一般にもよく知られた病名で、この疾患に悩む方はたくさんいます。椎間板ヘルニアは、多くは20歳代から50歳代の比較的に若い人のかかる疾患であり、腰痛だけでなく片側の坐骨神経痛を伴うのが特徴です。
また、椎間板ヘルニアの発生する部位は第4、第5腰椎間が最も多く、下肢外側から足背内側にかけて痛みやしびれを生じ、足首が曲げにくいためスリッパなどが脱げやすくなり、かかと立ちができなくなります。次に多いのが第5腰椎から仙骨間で、この場合つま先立ちができなくなります。
通常この二カ所で腰椎椎間板へルニアの95パーセントを占めます。腰は痛みのために前へ曲げにくくなり(前屈制限)、洗顔や靴下の着脱に苦労したりします。家庭で蘭単に調べるには、仰向けに寝て、足を伸ばして片足ずつ上げてみます。痛い足のほうが反対側より明らかに上がりが悪い場合は、この病気が強く疑われます。